昨夜の話。
就寝中、尿意を催しトイレへ行くと、水が流れなかった。
まだ布団でゴロゴロしていた家人に報告すると、家人は飛び起きて家中の蛇口を捻った。
そして一言「断水だ!」。
計画的なものなのか事故的なものなのかは分からないが、 断水など聞いていない。このままでは明日が困る。
もしかしたら私たちが知らなかっただけで、計画的なものだったのかもしれない。階下の掲示板に告知が貼り出されていないか、家人が様子を見に行った。
数分後、家人が戻ってきた。
我が家と同じように断水し、困って様子を見に来た同じマンションの住人が何人か集まっていたとのこと。
以下、家人に聞いた話。
1.掲示板に告知は貼り出されていなかった
2.それでみんなで貯水タンクの元へ行ってみた
3.タンクの電動ポンプが完全に止まっていた
4.話し合いの結果、住人のうちの一人が不動産屋に電話することになり、解散
……ということらしい。
家人から事の次第を聞き、それじゃあ断水は明日の昼ぐらいまでは続くだろうね、どうしたものかね、などと話す。
このちょっとした騒ぎで目が覚めてしまい、寝床の中で家人と他愛の無い会話を交わす。
家人「集まってた人の中に、えらい派手な服を着て、物凄い剃り込みを入れているいかついおっさんがいてさ。いつ殴りかかってきても応戦できるように、懐中電灯を肩に担いで構えていたよ」
私「殴りかかってくるってそんなわけないでしょ(笑)」
家人「だって凄く怖かったんだよ?」
私「人を見た目で判断するな(笑)」
こんなようなことをゲラゲラ笑いながら話した。
その数十分後。台所からポツン、ポツンと水が滴る音が聞こえてくる。
私「水道、復活したんじゃない?」
私の一言にまたしても家人は飛び起き、家中の蛇口を捻る。
どの蛇口からもジャージャーと勢い良く水が流れでた。
時刻は零時半を回っていた。私が断水に気づいてから、ちょうど1時間が経っていた。
水が出たということは、不動産屋から業者に連絡が行き、ポンプが修理されたということだろう。
しかしこんな夜中に連絡が取れたのか疑問に思い、ベランダから貯水タンクのほうを覗き見る。人の気配はない。
私「もしかして勝手に直った?」
家人「そんなわけない」
狐につままれたような気分だが、直ったのなら良かった。
直り方が不審だったため、またすぐ断水するのではと不安だったが、今朝になっても水はきちんと出る。
それにしても、あの1時間だけの断水はなんだったのか。
妙な時間を過ごしたものである。