「当たり前」の凄さ(お風呂の話)

2016/08/31

エッセイ・感想

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 私は普段、風呂はシャワーのみで済ませている。


 昔はきちんと湯に浸かっていた。
 湯船に入らなくなったのは、今の家に越してきてからのことである。


 というのも、我が家の風呂には追い焚き機能が無い。
 そして私は夜風呂派で、家人は朝風呂派。
 2人とも入浴しようとすると、1日に2回はお湯を張り直さないといけなくなる。


 「もったいない」とケチな私は思った。
 「じゃあお湯を張らなきゃいいじゃん」とも思った。


 こうして引越し初日をシャワーだけで済ました私は、「湯船に入らない風呂」をそのまま習慣化した。



 それから月日が経ち、昨夜のこと。
 私は湯船に浸かった。


 湯船に浸かるに至った経緯は以下の通り。



 1.今月は寝込みがちな日が続いたせいか、体中のあちこちが痛い

 2.打ち付けたり捻ったりした覚えはないので、痛みの原因は寝過ぎによる血行不良だとすぐ思い当たる

 3.家庭で手軽にできる血行促進法と言ったら「入浴」だ

 4.よし、湯船に入ろう



 きっかけは全身の痛みだったが、そうでなくても私は日頃から肩凝りが酷い。
 特に左肩は懲りすぎて、上部から背中にかけて刺すような痛みが常にある。


 この肩凝りを解消しようと、この日以外にも湯船に浸かったことが実は何度かある。
 しかしその度にお湯の熱さに耐えかねて、2分ぐらいで上がってしまっていた。

 肩凝りは解消されなかった。



 そこで今回は「ぬるま湯にダラダラ入る」ことを目標とした。

 また、「長時間湯船に浸かるのが苦手な人は、出たり入ったりを繰り返すと良い」という情報を得たので、これも取り入れることにした。


 具体的には、



 1.まず、程よくぬるいお湯を湯船に張る。

 2.続いて、体を洗ってから入浴。なるべく長く浸かる。

 3.「もう無理!」となる2歩手前ぐらいで湯船から出、頭を洗う。

 4.再び湯に浸かる。嫌になるまで浸かる。



 といったことを実行した。

 これでも実際に湯に浸かっていた時間は10分間ぐらいだったと思う。



 だが入浴後、全身の痛みはだいぶ引いていた。
 ストレスが吹っ飛び、気分はとてもリラックスしている。


 左肩の痛みはあまり変わらなかったが「まあ、こんなものか」と納得し、1日を終えた。
 夜はすぐに寝付き、ぐっすり眠った。



 翌日はやたら寝覚めの良い朝を迎えた。
 妙に体が軽いなと思ったら、左肩の痛みが消えていた。驚いた。

 左肩の痛みは午後には復活してしまったのだが、それでも一度の入浴でこれだけ効果があれば充分だ。



 今回の経験で「入浴は健康に良い」と大きく実感した。

 なにしろ体の痛みが取れ、ストレスが解消され、熟睡できて、長年の肩凝りがラクになるのだ。

 そしてアホみたいな感想だが、「だから多くの人はきちんと湯船に浸かるのだな」と思った。


 こんな当たり前のことに今まで気づかなかったとは間抜けな話である。

 気づいたからには、今後は「湯船に入らない風呂」でなく、「湯船に入る風呂」を習慣化したいところだ。



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